もし痛風持ちが新型コロナ感染すると…怖いよ!

悲報だあぁぁ~ Gout族は新型コロナで死亡リスクが…



痛風は新型コロナの死亡リスク 

慶応大グループ明らかに



2020年9月19日


新型コロナウイルスに感染すると死亡リスクが高まる――。


そんな研究結果を、慶応大病院などの研究チームが

市中感染した国内の入院患者を分析し、国際医学誌に論文を発表した。

慶大病院と東京近郊の13の関連病院で

2月から6月19日にかけて受け入れた新型コロナの全患者345人について、

入院後の重症化や死亡が基礎疾患と関係あるのかなどを調べた。



(注)集団感染が起きた大型クルーズ船

ダイヤモンド・プリンセス号の乗員、乗客は含まない。



患者の年齢の中央値は54歳。

基礎疾患別では多い順に高血圧90人、糖尿病48人、高尿酸血症が28人と続いた。


これらの分類をもとに、

他の基礎疾患の有無や性別といった条件を除くなどして統計学的に処理したところ、

従来の研究で死亡リスクが高いといわれていた「高齢」や「慢性腎臓病」だけでなく、

高尿酸血症痛風も高リスクであることがわかったという。



あまりにも重大な事態なので
プレスリリースを全文掲載します!

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首都圏 345 症例の解析による
重症化及び死亡危険因子の解明



-高齢、慢性腎臓病に加え、
高尿酸血症痛風が死亡のリスクに-



慶應義塾大学医学部内科学教室(呼吸器)(福永興壱教授、石井誠准教授)と慶應義塾大学関連病院で構成する研究グループ(K-CORC)は、グループ内の 14 病院に 2020 年 6 月中旬までに入院した全患者 345 例の基礎情報、入院時の症状、併存疾患などを検討しました。

また、酸素吸入を要する重症化の危険因子や、死亡に至る危険因子の解析を行いました。

酸素吸入を必要とした重症化患者は 112 例(32.5%)で、死亡例は 23 例(6.7%)でした。

酸素吸入が必要となる重症化の危険因子として、上位より、慢性閉塞性肺疾患COPD)(注1)の併存症、入院中の症状としての意識障害、息切れ、全身倦怠感、高血圧症の併存症、高齢が関与していました。

さらに、死亡に至る危険因子として、これまで報告されている高齢、慢性腎臓病に加え、新たに高尿酸血症痛風が関与していることを示しました。

これまで日本からの COVID-19 のまとまった症例数の報告はクルーズ船(ダイヤモンドプリンセス号)乗船者に関係した 100 例前後の報告が数件と、神奈川県内 6 医療機関の 151 例の報告のみでした。

本報告では、日本で初めてクルーズ船に関係しない市中感染の 300 例以上の大規模な症例検討を行い、重症化や死亡の危険因子を英語論文として示しました。

各施設がCOVID-19 で入院した全症例を登録していることから、日本の COVID-19 流行第一波における首都圏での感染状況のリアルワールドを反映した意義のある研究であると考えられます。

本研究成果は、2020 年 9 月 10 日(米国東部時間)に国際科学誌『Journal of Infection』オンライン版に掲載されました。



1.研究のポイント

・日本での COVID-19 患者のまとまった報告はクルーズ船の乗船者の報告が中心でした。

・日本で初めて、市中感染症例が 300 例を超える大規模な症例検討を英文報告しました。

・酸素吸入が必要となる重症化の患者は、112 例(32.5%)で、死亡例は 23 例(6.7%)でした。

・重症化(酸素吸入が必要となる)の危険因子として、慢性閉塞性肺疾患COPD)、意識障害、息切れ、全身倦怠感、高血圧症、高齢が関与していました。

・死亡の危険因子として、高齢、慢性腎臓病に加え、新たに高尿酸血症痛風が関与していることを示しました。

・本研究は各施設の COVID-19 全例登録により集積したデータに基づいたもので、首都圏の第一波流行時の入院症例のリアルワールドを反映していると考えられます。



2.研究の背景と概要

新型コロナウイルスSARS-CoV-2)感染症(COVID-19)は、コロナウイルス科に属する新興ウイルスによる感染症で、2019 年 12 月に中国武漢で原因不明の肺炎が報告されて以降、瞬く間に日本を含むアジア、欧州、北南米、アフリカと、全世界に感染が拡大しています。

2020年 9 月 16 日時点で、世界での罹患者は 2,900 万人超、死者は 93 万人を超えました(死亡率3.17%)。

日本では、2020 年 1 月中旬に COVID-19 の 1 例目が報告され、指定感染症と定められました。

2 月にはクルーズ船(ダイヤモンドプリンセス号)におけるアウトブレークが発生し、さらに市中感染も広がり、4 月 7 日には東京を含む 7 都府県で緊急事態宣言がなされましたが、その後徐々に新規発生者数は減少し、5 月 25 日に全国で緊急事態宣言が解除されました。

その後、再度新規患者数が増加し第二波を迎え、そのピークも越えたと評価されていますが、WHO をはじめとする感染症・公衆衛生学の専門的見解によれば、このパンデミックは当面の間は続くとされ、今後も流行を繰り返すことは必至の状況といえます。

これまで COVID-19 に関して全世界から膨大な量の論文が報告されていますが、我が国からのまとまった症例数の論文報告はクルーズ船(ダイヤモンドプリンセス号)のアウトブレークに関連した報告が中心でした。

8 月上旬に国内メディア勉強会資料として報道発表された国立国際医療研究センターが主導するレジストリの 2,600 例超の中間解析の報告(注 2)によると、酸素を必要とした重症化患者は 29.7%で、死亡率は 7.5%でした。

重症化しやすい症例として、男性、高齢者、喫煙者、併存疾患(心血管系、糖尿病、COPD)が挙げられましたが、統計的有意差検定は行われていない中間報告であり、これらの要因が真の COVID-19 の重症化因子であるかは、今後の解析結果が待たれるところでした。

慶應義塾大学医学部内科学教室(呼吸器)(福永興壱教授、石井誠准教授)と慶應義塾大学関連病院で構成する研究グループ(K-CORC)は、グループ内の 14 病院に 2020 年 6 月中旬までに入院した全患者 345 例の基礎情報、入院時の症状、併存疾患などを検討しました。

また、酸素吸入を要する重症化の危険因子や、死亡に至る危険因子の解析を行いました。

345 例の年齢中央値は 54 歳で、男性が 198 例(57.4%)を占めました。

併存疾患は、高血圧症が 90 例(26.1%)と最も多く、次に糖尿病(48 例[13.9%])、高尿酸血症(28 例[8.1%])と続きました。

症状では、発熱(252 例[73.0%])が最も多く、咳嗽(166 例[48.3%])、全身倦怠感(133 例[39.5%])と続きました。

酸素吸入が必要となる重症化の危険因子として、上位より、慢性閉塞性肺疾患COPD)の併存症、入院時の症状としての意識障害、息切れ、全身倦怠感、高血圧症の併存症、高齢が関与していました。

さらに、死亡に至る危険因子として、既に報告されている高齢、慢性腎臓病に加え、高尿酸血症が関与していることを初めて示しました。



3.研究の成果と意義・今後の展開

本研究は、これまで日本でまとまった症例数の報告が無かった COVID-19 に関して、首都圏の市中感染 300 例以上を対象に行った初めての解析です。

また、今回明らかになった高尿酸血症痛風が多変量解析においても独立した死亡リスク因子であるという点は、これまで諸外国で報告がありません。

本邦では、国立感染研究所疫学センターの国内流行ごく早期の 3 月までの患者を対象とした解析で、高尿酸血症痛風が危険因子である可能性が指摘されました(注 3)。

この解析の症例は約半数がクルーズ船あるいは海外での感染事例でしたが、今回の解析では、我が国の市中感染での重症化リスクが初めて明らかにされました。

COVID-19 の重症化については、以下のようなメカニズムが考えられています。

一般に人が病原体に感染した場合には、病原体と戦って体を守るため、私たちの免疫システムがはたらき、細胞からサイトカインと呼ばれるタンパク質が産生されて、炎症(注 4)が生じます。

ところが、COVID-19 の重症例ではそのサイトカインが過剰に産生され、免疫の暴走である「サイトカインストーム」と呼ばれる状態に陥ります。

サイトカインストームにより肺をはじめ複数の臓器で過剰な炎症を引き起こすと、しばしば患者自身を死に至らしめることになります。

高尿酸血症は、炎症や酸化ストレス反応を増強させて、炎症や酸化ストレスが関与する疾患(糖尿病や関節リウマチ等)の死亡リスクを上昇させる事が知られています。

本研究で示された、高尿酸血症痛風が COVID-19 重症化の危険因子となるメカニズムに関しても、高尿酸血症痛風の存在により、COVID-19 の重症化の鍵とされるサイトカインストームを通じた過剰な炎症がさらに増幅されて、死亡リスクが上昇した可能性が考えられます。

今後、第二波の以降の症例も合わせて集積を継続し、臨床基礎情報に加え、採血データ、CT画像情報、治療内容の検討も行っていきます。



4.特記事項

本研究は、慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート(Keio University GlobalResearch Institute: KGRI)の支援により行われました。

また、慶應義塾大学病院入院患者分のデータについては、慶應ドンネルプロジェクト(注 5)で収集したデータを利用しました。



5.論文

英文タイトル:Clinical characteristics of 345 patients with coronavirus disease 2019in Japan: a multicenter retrospective study

タイトル和訳:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

患者 345 例の臨床的特徴:多施設共同後方視的研究

著者:石井誠 1、寺井秀樹 1、加畑宏樹 1、正木克宜 1、中鉢正太郎 1、舘野博喜 2、中村守男 3、西尾和三 4、黄英文 5、渡辺理沙 6、上田壮一郎 7、寺嶋毅 8、鈴木雄介 9、八木一馬 10、宮尾直樹 11、峰松直人 12、井上卓 13、仲地一郎 14、南宮湖 1、岡森慧 1、池村辰之介 1、鎌田浩史 1、安田浩之 1、川田一郎 1、長谷川直樹 1、福永興壱 1、慶應 COVID-19 リサーチコンソーシアム(K-CORC)、慶應ドンネルプロジェクトチーム

所属:
1 慶應義塾大学医学部及び慶應義塾大学病院
2 さいたま市立病院
3 社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部東京都済生会 東京都済生会中央病院
4 川崎市立井田病院
5 国家公務員共済組合連合会 立川病院
6 国立病院機構 東京医療センター
7 独立行政法人地域医療機能推進機構 埼玉メディカルセンター
8 東京歯科大学市川総合病院
9 学校法人北里研究所北里大学北里研究所病院
10 一般財団法人神奈川県警友会 けいゆう病院
11 医療法人社団こうかん会 日本鋼管病院
12 日野市立病院
13 佐野厚生農業協同組合連合会 佐野厚生総合病院
14 恩賜財団済生会栃木県支部 栃木県済生会宇都宮病院

掲載誌:Journal of Infection
DOI:10.1016/j.jinf.2020.08.052
 
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【用語解説】

(注 1)慢性閉塞性肺疾患COPD):慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じる肺の炎症性の病気である。日本では 40 歳以上の人口の 8.6%、約 530 万人存在すると推定されているが、大多数が未診断、未治療の状態であると考えられている。日本の男性の死亡原因の 8 位であり、世界の死因でも 3 位となっている。

(注 2)国立国際医療研究センター COVID-19 レジストリ研究(COVIREGI-JP)中間報告:我が国最大の患者登録システムであり、7 月 7 日までに登録された COVID-19 入院患者 2,638 名の中間解析報告が行われた。その結果、酸素吸入を必要とした患者は全体の 29.7%、死亡は 7.5%であった。また、男性・高齢者・喫煙者や併存疾患のある例(心血管系・糖尿病・COPD など慢性肺疾患)では重症化しやすかったが、統計的有意差検定までは行われていない中間報告であり、今後症例集積が行われ最終的な統計解析結果が待たれる。(https://www.ncgm.go.jp/covid19/0806_handouts.pdf

(注 3)国立感染研究所感染症疫学センターの積極的疫学調査による 3 月までの症例の検討では、男性、高齢、糖尿病、脂質異常症高尿酸血症、慢性肺疾患が重症化と関係すると記載され、重症化因子として、高尿酸血症の可能性に関して初めて指摘された。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000662183.pdf
ただし、国内流行早期で、対象患者の約半数はクルーズ船あるいは海外での感染事例であり、国内での COVID-19 の市中での感染における重症化リスク因子は不明である。

(注 4)炎症:ウイルスなどの病原体の感染、物理的な刺激(やけど、けがなど)、化学的な刺激(化学薬品接触など)などに対して、からだを守る生体の反応のこと。炎症が生じると、その部位は赤く、熱くなり、腫れ、痛みを感じるようになる。これを炎症の 4 徴候という。

(注 5)慶應ドンネルプロジェクトチーム:2020 年 3 月末、COVID-19 が急速に拡大する中で、慶應義塾竹内勤常任理事、天谷雅行医学部長、北川雄光病院長のリーダーシップのもと、COVID-19 の病態解明、診断そして治療などを支援できる研究体制を構築し、慶應義塾大学医学部が持つ専門性で医療現場のニーズを埋めることを目的として基礎と臨床の研究者が集い発足した研究チーム。
http://www.med.keio.ac.jp/features/2020/6/8-70229/index.html

※ご取材の際には、事前に下記までご一報くださいますようお願い申し上げます。
※本リリースは文部科学記者会、科学記者会、厚生労働記者会、厚生日比谷クラブ、各社科学部等に送信しております。

【本発表資料のお問い合わせ先】
慶應義塾大学医学部 内科学教室(呼吸器)
教授 福永 興壱(ふくなが こういち)
TEL:03-5363-3793 FAX:03-3353-2502
E-mail:kfukunaga@keio.jp

【本リリースの発信元】
慶應義塾大学
信濃町キャンパス総務課:山崎・飯塚
〒160-8582 東京都新宿区信濃町 35
TEL:03-5363-3611 FAX:03-5363-3612
E-mail:med-koho@adst.keio.ac.jp
http://www.med.keio.ac.jp/


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